シン・オーリーHowTo ~Takkk’sメソッド~

シン・オーリーHowTo ~Takkk’sメソッド~

ストリートスケートボードを始めたら誰もが目指す憧れのトリック「オーリー」。

まるで足に吸いついているかのように板と一体となって空中に浮かび上がる、あの技です。

 

 

この最大の壁にして永遠のテーマを攻略すべく、“シン・オーリーHowTo ~Takkk’sメソッド~”として(仰々しい!!)、僕なりのやり方と練習方法をシェアしたいと思います。

 

 

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オーリーに挑む心構え

 

 

このあと一生懸命解説していくつもりですが、オーリー習得に近道はありません。同じような動作を繰り返し練習し、マッスルメモリーをつくることで上達・習得していくからです。いちいちあれこれ考えなくとも、体が勝手に動くくらいにやり込む必要があります。

上のツイートにありますが、たとえば半年で10000回テールを弾くとしたら、それなりの練習ペースで回数をやり込む覚悟が必要でしょう。継続する根性楽しむ気持ちが大事です。

まあこればかりはやってみないと分からないので、とりあえず気楽に始めてみるというのもアリかもしれません◎笑

 

 

オーリーの原理を理解する

 

仕組みそのものはシンプルです。テコの原理。

オーリーの原理を図説 Logic of Ollie

1. テールに力をかけてノーズを跳ね上げる
2. ノーズに力をかけてテールを跳ね上げる
3. テールとノーズの邪魔をしないように足と体を上げる

 

たったこれだけですが、しっかり頭で理解してください。

 

こういうことです ▼

 

 

実際の動作がイメージできるでしょうか。

 

そして大事なのが、デッキにこのとおりに“動いてもらう”ことです。

オーリーのために動く主体(主役)はあなたですが、同時に、板に原理どおりの動きをしてもらうという「デッキ側の視点」も持っておいてほしいです。

* 上の動画の動きを練習をする必要は一切ありません

 

 

オーリーの前に

 

まずはプッシュとチクタクを確実に身につけます。

プッシュ安定してスピードを出せるところまで。グラグラする板に乗り慣れ、前足一本で全体重を支え、後ろ足の股関節、太腿、膝、ふくらはぎ、足首、つま先までぜんぶを使って力いっぱい地面を蹴り出す。日々プッシュをし、オーリーに必要な脚力を鍛え続けましょう。

チクタクは板が傾いたり方向を変えるときにバランスを崩さない安定感を身につけるのに必須の動作です。

 

【姿勢と重心で覚える】HowToプッシュ
チクタク/チックタック TIC-TAC

 

また、板の上で自分だけジャンプしたり、走りながら枝を跨いだり、段差を降りてみたり、前輪を軸に180°ターンしてみたり… そういったいろいろな動きができると、板に乗り慣れるのも早いです。オーリーを練習しながらでいいのでやってみると◎です。

 

 

要はこういった基本動作ができてくると、脚全体の筋力や体幹、インナーマッスルが鍛えられます。上で「近道はない」と書きましたが、基本動作に慣れれば慣れるほどオーリー習得には有利です。街なかを不自由なく流せたりするとベターですね。

 

プッシュと“スケボー筋”
オーリー?ショービット?その前に【基本動作編】

 

* オーリーとショービットだけ練習してるとマジで心が折れるので、こういうのは本当に大事です

 

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フットポジションと重心

 

オーリーのスタンス フットポジション

 

足の位置に正解はありませんが、とりあえずこのへんから試してみては。

大事なのは後ろ足。テールの先端ど真ん中をつま先~母趾で弾ける位置に。両足とも板からつま先を出さないようにします。

 

重心(=頭の位置)は両足の中間~板の中心にかけて。なのでやや前足重心になるかと。板はつま先側にもかかと側にも傾かないよう水平をキープ。足裏全体でベタ踏みというよりは、ややつま先立ち気味。

その状態から軽くスクワット~自分だけ軽くジャンプできるといいけど、はじめは難しいです。反復練習とプッシュ&チクタクで脚力や体幹ができてくると安定してきます。

 

コツは、どんな体勢になっても頭をブラさないこと。頭は上下するだけです。前後左右に動かさないように。

屈むときは前傾になったり板を覗きこむように背中を丸めたりせず、なるべく姿勢よく。どちらかの肩が下がるのもよくないです。こちらも水平に。

* 個人的にはジャンプする前に深く屈む必要はないと思います。スケボー関係なく、単にジャンプするときっていちいち思いっきり屈まないですよね

 

 

板の上での動きに慣れる

 

 

いきなりテールを弾いたりノーズを擦り上げたりはしません。

まずは板に乗って、上の2つの動画の動作をやってみてください。不安定な板の上でノーズを上げたり、体を浮かすことに慣れていきます。特に2つめの動作は非常に重要です。

 

オーリーに苦戦している人に僕がまず指摘するのが「板と足だけ上がればいいのではなく、体ごと上げること」そして「ノーズの上がりと体の上がりを合わせること」です。しっかり身につけましょう。

◎「オーリーの原理」で書いたところの跳ね上がる板の邪魔をしないための練習です。浮き上がろうとする板に対して体が上がってないのはよくないので

* 後ろ足だけでジャンプするのではなく、両足を使って体全体を持ち上げます

 

 

テールの弾き方

 

 

一旦板から降り、弾く感覚をつかみます。

地面に直接力や体重がかかるほど踏み込むのはNG。テールが当たる前に足を上に逃がすか、逃がさなくとも軽く当てる程度にとどめます。この路面との距離感やタイミングを体に覚えさせるのに少し時間がかかるでしょう。常に適切な動作ができるのが望ましいです。

 

意識しておきたいのが、テールの“先端の1点”を当てること

「テールを弾く」というと、漠然とテールの形状から“面”で考えてしまいますが、大事なのは、テールの先端を当て、跳ね返ってくるようなイメージを持つことです。力をかけるのは“面”ではなく“点”です。

◎上の動画のように、板が小気味よく空中に跳ね上がるのがベター。素早くノーズを立ち上げ、原理2「ノーズを押し、テールを跳ね上げる」につなげることをイメージして練習してください

* 足首のスナップは、一生懸命プッシュを続けることでも瞬発力が鍛えられていきます

 

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オーリーしてみよう

 

 

前述の、体重を抜きながらふわっと体を浮かせノーズを上げる動作、その延長で軽くテールを弾いていきます。

思いっきりジャンプしたり力いっぱい地面を蹴らなくていいので、体を上げ、全身がほどよく伸び上がり、板にかかっていた体重が抜けるタイミングで足首のスナップを利かせて「パチッ!」と音が鳴るように弾きます。

 

 

オーリー 腰の位置を上げる

* 弾くタイミングで腰の位置が直立時より上がっているのが理想です。
“ふわっ”ができていれば自ずと腰は上がりますが、はじめの頃はどうも直立時より下がっていることが多いです。前々項同様、両足で体を浮かしてから弾きます

* テールがなかなか地面に当てられないという人は、前足をテール側に寄せて狭めに構えてみてください

*「オーリーの原理」の動画にもありますが、板と足がベタベタにくっついてなくても大丈夫です。体が空中に浮かんで、足と板が離れるんじゃないかってくらいのところで初めて弾く感じでも可

 

 

オーリー 体を伸ばす

弾いて跳ぶときも背中〜腰〜膝が極端に曲がらないように。ジャンプとタイミングが合えば、全身が伸びきる手前あたりでテールが当たると思います

 

 

走りながらやってみよう

 

 

ここまでできた段階で、少しずつ走りながらテールを弾いてみてもいいかもです。

 

が、、、

 

… 止まりオーリーと走りオーリーには天と地ほどの差があり、すごく難しい…。はじめは止まる直前くらいのゆるゆるのスピードから徐々に慣れていきます。頭をブラさないようにしましょう。

オーリーできなければ、テールを当てずに“ふわっ”とやるだけでもいいです。地道に、地道に、です。

* 繰り返しになりますが、プッシュ、チクタク、ヒッピージャンプなどで“スケボー筋”が鍛えられてくると走りオーリーも安定してきます

 

 

前足の動かし方

 

 

ノーズを押し出す前段階として、スネを斜めにし、足首の力を抜くことを習慣づけたいです。膝を外側に、足先を内側に入れながらスネを寝かせるようにします。

このときに足首の力を抜き、足先を寝かせることで、足の甲の外側をノーズの反りに当てます(シューズの小指あたりが擦れて削れてきます)

* 足首というか、膝下全体の力を抜いてみるといいかもです

 

 

何度も繰り返し、スネ斜めと足首の脱力に慣れたら、少しずつノーズを押していきます。

 

これまではオーリーの原理1「ノーズの跳ね上げ」と「体を持ち上げる力」だけでデッキを引っぱり上げるように浮かせてきました。

いよいよ原理2、デッキを水平にするためにテールを跳ね上げていきます。

 

オーリーの前足の使い方1

スネを寝かせたときに突き出た「膝」を支点に、内側に入れていた足先を、膝より外側に押し出すようにまっすぐ動かします。押し出しながら、寝かせていた足先をめくり返すように元に戻します。

 

オーリーの前足の使い方2

* スネを寝かせず膝ごと垂直に上げて→足を開く人が多いのですが、NGです(ノーズがまっすぐ押せないため着地で板が斜めに曲がる原因になります)

 

ジャンプの上昇中に押し終えてしまい、ピークでは少しでも長く平行のポーズをキープできると最高(難題)。体が上がっていれば早い段階で前足がノーズに届くと思うので、一番前のビスを越えたと思ったらすぐに押し出すくらいでもOK。

 

これまでの練習でふわっとしっかり体が上げることができていれば、押し出すだけの滞空時間(と、体の下の空間)ができているはずです。少しずつ押し出す距離を伸ばし、動かす速さも上げていきます。

前足を勢いよく押し出すほどにテールも勢いよく跳ね上がってくるので、それに合わせて後ろ足を上げてやります。

* あまり「擦り上げる」という言葉に捉われないほうがいいです。ズリズリとノーズに足を押し当て、圧をかけるような動作はおすすめしません
【オーリー】“擦り上げ”の呪い

 

 

着地

 

デッキはきれいに水平になったでしょうか。

あとは膝のクッションを使って四輪着地を迎えます。体全体が上がっていないと膝が使えず、硬くて重い着地や、前輪からの着地になりがちです。

ふわっと着地できるということは、ふわっと跳べているということです◎

【オーリー】ふわっと〇〇してる?

 

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“板目線”で考える

 

はじめのほうでも書きましたが、要は板がオーリーの原理」に従って動きさえすればいいと考えてみてください。改めて ▼

 

 

板に「この動き」をさせる、この動きになるように自分が動く、板をこうするには足・体をどう動かせばいいかと逆算して考える

これから練習を始める人には特に難しいと思いますが、すべての動作を「板にこの動きをさせるため」と考えて動くことで、自ずとオーリーは上達し、スタイルが磨かれていくかもしれません。

 

 

その他(随時追記)

 

・力いっぱいのオーリーよりも、20〜30cmを軽くきれいに跳ぶ練習をしたほうがいいと思います。必要なのは力ではなく、タイミングと瞬発力。上達すれば自然と高さも上がってきます。

 

 

まとめ

 

非常に長い記事となってしまいましたが(疲労..)オーリー習得までの道のりは当然もっともっと長いです。オーリーやショービット以外にもいろんなことに挑戦しながら、楽しく取り組んでみてほしいです(オーリーとショービットだけやっているとたぶん心が折れます)

 

オーリーからは180キックフリップ50-50グラインドボードスライド…と、無数のトリックが枝を伸ばしています。これらと行ったり来たりしながら、さらにオーリーも上達していくはずです。

* 例えばキックフリップの動作の8〜9割はオーリーであり、習得にはオーリーの上達が一番の近道です

 

解説動画からわかると思いますが、僕は決してオーリーが上手いとはいえません … 膝も傷めており、その痛みと戦いながら、もっときれいに跳びたいと地道に練習し続けています。

ただ、コツがつかめてくると、なるべく無駄な力を使わず、軽くスマートに、極力痛くないようにと工夫して跳べるようになってきたりもしますよ。

引き続きがんばります。

 

 

以下オーリー関連記事として、古いものもありますが、よかったら参考にしてください。

・物越えのポイント
・ノーズを押す、その前に。
・ふわっと〇〇してる?
・テールを“弾く”とは?
・ピックアップから学ぶ「弾き」
・“擦り上げ”の呪い
・“平行にする”の呪い?
・着地が曲がる原因を考える
・弾きの“速さ”を考える

 

* 当ブログ内でも考え方ややり方が変わってきていて、記事によって言ってることが違い混乱させているかもしれません… この記事が自分的最新HowToとなります。よろしくお願いします

 

written by @Takkks.