プッシュと“スケボー筋”
スケートボードを始めたばかりの人にアドバイスなんですけど。デッキを買って、板に乗ってみて、いきなりオーリーの練習をするのはおすすめしません。
板の上でふらふらしながら不安定でぎこちないオーリーの練習。パークでよく見かける光景ですが。
まずはひたすらプッシュをしてほしいなと思います。何百メートルでも何キロメートルでも、全力で、全速力でプッシュしてほしい。慣れてきたら大きく曲がってみたり小さく曲がってみたり、坂道を上ってみたり下ってみたり、ちょっとした段差を降りてみたり、R面だったり、ストリートだったり、いろんなところを走ってみてほしいです。
なんでこんなことを言うのかというと、オーリーの練習を始める前に、スケートボードに「順応した体」をつくってほしいから。
自分がスケートを始めたばかりの頃にはわからなかったことなんだけど、プッシュやオーリーをしたり、板の上でバランスを保ったりするには、太腿の筋肉だったり、腹筋背筋、体幹、インナーマッスルなんかがすごく重要なんですよ。ここでは適当に“スケボー筋”とでも名付けましょうか。
初心者さんはまだスケートボードをするために使う、全身のスケボー筋ができあがっていない。スケボーに適応した体になっていないんです。だからオーリーどころかプッシュさえも不安定でぎこちない。筋肉量が少ないキッズやガールズスケーターさんなんかはなおさら。
例えば、プッシュするときに板に乗せている前足、その足の太腿って、全身の体重を支えるから結構キツくないですか?プッシュが上手くなってくると、しんどくなくなってくるんです。さらに、進んでいる間、片足だけで板の上に立つというようなこともできるようになります。
太股の筋肉や、バランスをとるための体幹等が鍛えられてきた証拠です。バランス感覚を養うとか板に慣れるというのは、そのための筋肉が鍛えられるというのが大きく関係してると思うんです。
そして、プッシュするときに使う筋肉があるように、オーリーのときに使う筋肉もあれば、フリップに使う筋肉もあります。フリップ初心者がフリップ熟練者と全く同じ動きをしたとしても、“フリップ筋(前足の足首とか)”が鍛えられていないから、あまり上手くできないのではないでしょうか。
繰り返しトリックの練習をする時間というのは、筋肉を鍛える時間でもあると僕は捉えているので、そんなにすぐにメイクできるものでもないし、焦る必要もないと思える。
だから、“プッシュ筋”や“チクタク筋”ができていないのにいきなりオーリーの練習を始めるのは、まったくの無駄とは言いませんが、遠回りだと思うんです。少なくとも全速力でプッシュ、チクタク、エンドオーバー、それからヒッピージャンプ(板の上で自分だけジャンプする)ができるようになってから挑戦するのがいいと思います。。
ただのジャンプ pic.twitter.com/EY2WlkbgQD
— Takkks SK8 (@Takkks_SK8) September 9, 2020
とはいえ、スケートボードは楽しむもの。筋トレみたいに黙々と淡々と練習をするわけではない。プッシュでいろんなところを走り抜けるだけで気持ちいいし、楽しいですよね。
基本を一通り覚えて、オーリーやショービットが少しづつできるようになってきて、スケーター“らしい”動きが身につくには、正直一年くらいはかかると思います。でも、一生懸命練習して全力で楽しんでいれば、いつの間にかそれくらいの時間は経ってしまうはずです。お互いに精進しましょう。
雪が融けて今年初のパーク pic.twitter.com/VlQOSB1Cl1
— Takkk|Sk8HowTo (@Takkks_SK8) February 7, 2021
written by @Takkks.
関連記事
【姿勢と重心で覚える】HowToプッシュ
オーリー?ショービット?その前に【基本動作編】
【初心者さん向け】いきなりトリックができるわけじゃない
シン・オーリーHowTo ~Takkk’sメソッド~
コメントを書く